法  話

過 去 の 法 話 


new 3月16日(木) 法話   講師 住職 倉松俊弘 

「宗祖弘法大師から学ぼう」第二回 報告レポート

弘法大師正御影供にて 平成18年3月16日木曜日  

薬王寺 客殿 

講師・薬王寺 倉 松 俊 弘 師  

 第一回は、「弘法大師空海の生涯」と題してのお話でしたが、今回は弘法大師の著作より「名言・名句」から弘法大師について学びました。

 まずは、著作の紹介とその内容について概略を説明してくださいました。

・    三教指帰  3巻

「さんごうしいき」と読むそうです。弘法大師空海の出家宣言が書かれているそうで、儒教・道教・仏教との比較を行い、仏教の素晴らしさを弘法大師の視点から書いてあるということでした。まさに、「出家宣言」っていうことですね。

・    弁顕密二教論 2巻

仏教には、顕教と密教があり、その顕教との違いを述べているということでした。

真言宗・天台宗は密教で、秘められた教えであり、顕教とは、顕れた教えなんですよね。

・    即身成仏義 1巻

どのようにして仏になっていくのか、また、亡くなって仏になるのではなく、生きたまま仏になるにはということが述べられているようです。

・    声字実相義 1巻

経文の文字を声に出していくこととはこういうことであると書かれているとのこと。

・     字義 1巻

  言葉だけではなく、文字、もちろん梵字ですから、サンスクリット語の大切さと、弘法大師はそのサンスクリット語を操る名手だったこと。

・    般若心経秘鍵 1巻

大般若経の解説

・    秘密曼荼羅十住心論 10巻

人間の心の段階を述べているもの。お釈迦様もその心と対峙しさとりをお開きになりましたよ。

 ・ 秘密宝   3巻

   上記、十住心論の解説本

これ以外にも、沢山の著書をはじめ、民衆のため公共事業、もちろん日々のお勤めを行っていた弘法大師。現代では考えられないほどの量であったと推察されるらしい。

 そして、上記で紹介された著書の中から名言として、大般若経の解説でもある「般若心経秘鍵」の序章中から「心について」の言葉を教えていただきました。

  仏法非遥心中即近

「仏法はるかにあらず、心中にしてすなわち近し」

  仏法というものは、遠いところにあるものではなく自分自身の心の中にありとても近いところにあるものです。という解釈になると。

  真如非外棄身何求

「真如外にあらず、身を棄てていずくにか求めん」

 真如とは普遍なものとして、仏として理解されている言葉であり、そのことを踏まえると、仏様は心の外にはいない。

両方の言葉から、心の中に築くことの大事を解いているということ。

小さい子供に仏教とはという質問に対して、

 ◎  釈迦の教えであること

 ◎ 仏になるための教えであること

 ◎ 仏を真似ること

 即身成仏するため、生きながら仏になることはなかなか難しい。だからこそ、仏を真似ることが大切だということをお話くださいました。

 自分の心の中の仏に問いかけること、心の中の仏に聞くと教えてくださる。釈尊は、苦行の修行をしてきたが、悟りは開けず、ネーランダ川の畔スジャーで乳粥を供養され、吉祥草を敷き、ブッタガヤの菩提樹の下で悟りを開きました。苦行によってはなにも生まれない。心の中に仏がいないとダメであること。それに気づいたら、心の仏に従って行動をすること。それが、「仏の行動」であること。仏道を歩むことである。

 また、心の仏の声、それを伝えることは難しいことである。

 仏の世界はどこに在るのか?といえば、遠いところにあるのではなく、心の中に存在することである。

 みなさんに、人の生きる道をお伝えしていきたい。ということが弘法大師の伝えたい一つではないのでしょうか。

 それを歩むことによって、住職の元旦の法幡にあったように心の仏に問いかけをして智慧をいただき、それを実践することによって「智慧から楽」へと生活できるのではないだろうか。

 とても有意義な時間を過ごさせていただきました。

(文責 阿部泰治)